長編の
夢の世界を駆け巡る
旅から戻り心は虚ろ
ストレス解消に最も効果があるのは、「カレーを食べる」ことと「読書する」ことだそうですよ。カレーを食べると、クルクミンという成分が血液の流れを活発にしてくれるから。一方、読書はなぜストレス解消に効果的なのか?
まずは、読書とは本の世界に入っていくことであり、脳の中を別の世界にしてしまう仮想体験であること。その別世界に浸ることで、現実の様々な負の感情や思考をいったん脳の中から追い出すことができる。そして、本を読んであれこれ想像することで、実際に経験したときのように脳が活性化する。実験で、読書中の脳の様子をMRIで観察したところ、脳内に新しい神経回路さえ生まれたといいますから驚きです。
これが、そのほかの媒体、たとえばテレビや映画では、決してそんな現象は起きないそうです。テレビや映画で得られるのは、あくまで受身的情報であるのに対し、読書は自ら読む「能動的」行為であるというのがミソのようです。文字を捉えて文脈や行間を読み、さらにはイメージに変換する。そうした作業が、ことごとく脳の活性化につながる。読書でストレスを減少させることを「ビブリオセラピー」と呼ぶそうで、英国では、薬の代わりに本を処方するシステムさえあるそうです。