短歌を作ってみました。

広島出身、関西在住です。よろしくお願いします。

地域

灯籠流し

夏の夜の川面に揺れる灯籠は広島の子の祈りを乗せて 毎年8月6日の原爆の日には、原爆ドーム前の川で灯籠(とうろう)流しが行われます。戦後間もなく、原爆で親族や知人を失った遺族や仲間たちが、供養と復興の願いを込めて手作りの灯籠を川に流したのが始ま…

海上自衛隊呉地方隊

国守る気高く重い使命帯びやさしい君の強くあれかし レイモンド・チャンドラーの小説『プレイバック』の中に、謎の女が探偵のヒリップマロウに語りかける場面があります。 「あなたのように強い男が、どうしてそんなに優しくなれるの?」 「強くなければ生き…

故郷の山

ふるさとの山はいつでもそこにいるただ黙ったままでもそれがよい 不肖私の生まれ故郷は広島市でして、私にとっての身近な故郷の山というと、市内の皿山(さらやま)と沖合に浮かぶ似島(にのしま)です。いずれも小さな山ですが、たまに帰郷してその静かな姿…

天神祭

高層に勤める君は天神の花火を下に眺めるという 天神祭(てんじんまつり・てんじんさい)は、日本各地の菅原道真を祀る天満宮で行われる祭りで、大阪天満宮の天神祭は、日本三大祭りの一つ(東京の神田祭、京都の祇園祭)といわれ、大阪三大夏祭りの一つ(愛…

屋久島

外洋を揺られて着いた屋久島は上陸しても地面が揺れる 学生時代の屋久島旅行。鹿児島から小さなフェリーに乗って屋久島に向かいました。錦江湾から外洋に出ると、途端に船が激しく上下に揺れだし、デッキにいる我々はキャーキャー言って喜んでいたのですが、…

能登旅行

打ち寄せる無数の蟹をつかまえて茹でて食ったり能登の砂浜 学生時代、サイクリング部に所属していて、夏休みに能登旅行をした時の思い出です。羽咋(はくい)の海岸でテントを張って夕食の準備をしていましたら、薄暗くなった砂浜に、波が寄せて引くごとに無…

北新地

しっぽりとキタの新地の夜は更けて酒と笑いと男と女 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち

大阪の夕陽丘

家隆が愛でた入り日の夕陽丘波見えずとも七坂のこる 大阪市天王寺区に、夕陽丘(ゆうひがおか)という地名があります。名前の由来は、鎌倉時代初期の公卿で歌人でもあった藤原家隆(ふじわらのいえたか)が、出家してこの地に「夕陽庵(せきようあん)」を設…

夾竹桃(きょうちくとう)

広島の祈り支えた夾竹桃焦土と化して逸早く咲く 私がまだ小さかったころ、広島市内を走る路面電車に乗ったときなど、しばしば顔に紫色の大きなケロイドのある大人に出会ったものです。そんな人を見るたび、私たち広島の子は、原爆の恐ろしさを実感すると共に…

藤原京

藤原の都人らの話し声聞こえるような大和三山 大和三山(やまとさんざん)は、大和平野の南部、奈良県橿原市に位置する3体の山をいい、平成17年(2005年)に国の名勝に指定されました。 香具山(かぐやま) 標高152m畝傍山(うねびやま) 標高199m耳成山(…

曾根崎恵美寿

路地裏にひょいとまします恵美寿さまキタの新地に福をもたらす 不肖私が愛してやまない大阪・北新地に「蜆楽(けんらく)通り」という細い路地があります。北新地には、昔は蜆川(しじみがわ)が東西に流れ、その両岸にお茶屋が軒を連ねて、川にはお客や芸者…

言問橋(ことといばし)

業平かはた団子屋かまっすぐな言問橋の名前のいわれ 東京・浅草にある「言問橋」は、かの川端康成が、その直線の美しさを褒め、「言問は、男だ」と言ったとか。また、風情のあるその名の由来は、在原業平の「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はあり…

道頓堀(どとんぼり)

おちょやんが今も居てそうな道頓堀浪速の喧騒今日も変わらず 大阪市中央区にある繁華街・道頓堀(どうとんぼり)の名は、江戸時代初期の商人で堀を開削した成安道頓(なりやすどうとん)に由来し、日本橋北詰交差点には石碑もあります。かつては「どとんぼり…