短歌を作ってみました。

広島出身、関西在住です。よろしくお願いします。

古典・歴史

御成敗式目

泰時が真心こめた式目は道理を守り六百年も 鎌倉幕府の3代執権・北条泰時が中心になり、幕府の要人らの協議によってつくられた「御成敗式目」は、全51か条からなる武士政権のための法令です。源頼朝以来の先例や、道理と呼ばれた武家社会での慣習や道徳をも…

風流士

野暮天をあえて装う風流士据え膳食わぬ男の美学 『万葉集』にこんな話が載っています。男に片思いをしていた女が、ある夜、老女に変装し、「東隣に住む貧しい老婆です。火種がきれてしまいましたので、お貸しください」という口実をつくって、男の家にやって…

赤猪子(あかいこ)

赤猪子が御召しを待った八十年乙女心の純真哀れ 英雄的な君主とされる雄略天皇は、5世紀後半の第21代天皇です。歌をよくし、その霊力によって女性や国を獲得したという伝説があります。その雄略天皇について、『古事記』下巻に、次のようなエピソードが載っ…

保科正之

定信(さだのぶ)に顰(ひそみ)に倣うと言わしめた正之公の生きざま清(すが)し 私は、数多い歴史人物の中で、保科正之(ほしなまさゆき)という人が大好きです。是非ともNHKの大河ドラマに採り上げてほしいと願っています。しかし、知っている人は知って…

七夕

織姫の章(あや)なさずして流す涙今宵逢えるか天の河原で 古代中国に発する「七夕伝説」の原型は、牽牛と織女の二つの星が、向かい合ったままいつまでも結ばれない、というものだったそうです。それが魏晋の時代になって、二人を隔てる天の川に、年に一度カ…

織姫

織姫の織りなす糸の跡となり天の川原に星の流れる あの人の言葉 歌はもののあはれを知るよりいでくるものなり。 ~本居宣長『石上私淑言』 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち

大阪の夕陽丘

家隆が愛でた入り日の夕陽丘波見えずとも七坂のこる 大阪市天王寺区に、夕陽丘(ゆうひがおか)という地名があります。名前の由来は、鎌倉時代初期の公卿で歌人でもあった藤原家隆(ふじわらのいえたか)が、出家してこの地に「夕陽庵(せきようあん)」を設…

振り返る亀

四度まで振り返り行く亀の恩後(のち)の出世に孔愉(こうゆ)は悟る 『晋書』に、次のような話が載っています。ある時、孔愉(こうゆ)という男が道を歩いていると、亀を捕えて籠に入れている者を見かけました。孔愉は憐れんで、何とか助けたいと思い、亀を…

『源氏物語』の夕顔を詠む歌

たおやかな夕顔のこころ見抜けずに頭の中将の薄情かなし いわゆる「雨夜の品定め」の場面での、頭中将(とうのちゅうじょう)の語り、「まめまめしく恨みたるさまも見えず、涙を漏らし落しても、いと恥づかしくつつましげに紛らはし隠して、つらきをも思ひ知…

藤原京

藤原の都人らの話し声聞こえるような大和三山 大和三山(やまとさんざん)は、大和平野の南部、奈良県橿原市に位置する3体の山をいい、平成17年(2005年)に国の名勝に指定されました。 香具山(かぐやま) 標高152m畝傍山(うねびやま) 標高199m耳成山(…

孤悲

私へのあなたの気持ちはただの「恋」私の恋は、悲しみの「孤悲」 『万葉集』の恋の歌で使われている「恋(こひ)」の文字のなかには、「孤悲」の二字で書かれている例が30ほどあるそうです。万葉仮名には正訓の文字もあれば、単に音を当てはめた音仮名もある…

『源氏物語』の空蝉を詠む歌

許されぬ源氏の愛に堪えかねて人妻の身を悔やむ空蝉 光源氏の強引な求愛に抗うことができなかった空蝉(うつせみ)。人妻の身にはあるまじきことと憤るものの、「いとかく憂き身の程の定まらぬ、ありしながらの身にて、かかる御心ばへを見ましかば、あるまじ…

言問橋(ことといばし)

業平かはた団子屋かまっすぐな言問橋の名前のいわれ 東京・浅草にある「言問橋」は、かの川端康成が、その直線の美しさを褒め、「言問は、男だ」と言ったとか。また、風情のあるその名の由来は、在原業平の「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はあり…

万葉集

上代の男女が詠んだ恋の歌今の我らと何も変わらず ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち

『詩経』の「静女」から

この花が美しからずあなたからもらったものだから美しい 中国でもっとも古い詩集の『詩経』のなかに、男が愛する女のことをうたった『静女(せいじょ)』という詩があります。「静女」というのは美しい女性を意味します。男は、待ち合わせ場所でようやく逢え…