あのころは
深夜ラジオが友だった
今とは違う時間があった
私ら世代が中高校生のころは「ナガラ族」と呼ばれ、ラジオの深夜放送を聴きながら勉強するのを常としていたもんです。今のようにゲームもスマホもPCもない時代でしたから、勉強部屋での楽しみといったらラジオくらいしかなかった。
でも、今振り返れば、あれはあれでとても素敵な時間だったように思います。友達もみんな同じように聴いているのが分かっていましたから、深夜でも、妙な連帯感がありました。『オールナイトニッポン』や『セイヤング』『パックインミュージック』『走れ!歌謡曲』など、どれもみな涙が出るほど懐かしいです。
ところで、演歌歌手の川中美幸さんが、若いころに『走れ!歌謡曲』のパーソナリティーをしていたのをご存じでしょうか。番組の中で「いつか紅白に出られるような歌手になりたい」としきりに言っていたのを覚えていますが、当時はまだ顔も知らない無名な人でしたから、そんなん無理だろうと思っていましたが、本当になっちゃいましたもんね。
私もあのころ、ラジオからいろんな夢を見させてもらったような気がします。