しなやかに
動く美人のきれいな手
優しくもあり冷たくもある
9月に詠んだ歌(後半)
- 川床のアルバイトの芸妓さん私の膝にビールぶちまけ
- 長編の夢の世界を駆け巡る旅から戻り心は虚ろ
- それじゃまた、とは言いつつも心では終わりの予感最後の笑顔
- 月寂しかかる夜には芭蕉翁の明智の妻の咄し聞きたし
- 同級の彼女が観たいと言ったのはボクの知らない大人の映画
- よく見ればトンボの背中に仏さま子供のころに母が言ってた
- 目の前で派手に転んだОLは手から絶対スマホ離さず
- かまきりの小さいうちは臆病で大人になるとくそ生意気に
- 朝のバスいつも乗ってた女子高生久々見れば素敵な大人に
- 文鳥に逆剥けむしられ跳ねのけるまた降りてきて逆剥けねらう
- ご署名の「藤三娘」に藤原の誇りと愛嬌あふる光明子
- 漆黒の宇宙に見える光のごとブルックナーの調べ優しい
- 麗しさを内に秘めたる蕙蘭の摘む人なくてやがて萎れゆく
- 周りから悪女といわれ愚痴るけどみんなは君に注目してる
- しなやかに動く美人のきれいな手優しくもあり冷たくもある